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新型コロナ(COVID-19:コビットナインティーン)

 

  • コロナ禍になりそろそろ丸3年、現在第8波の渦中にある
  • 複数のワクチンが緊急承認された。新しいmRNAワクチンだったが、安全に使えている
  • 第7波くらいから小児でも重症例・死亡例が出てきている
  • 抗ウイルス薬も複数でてきているが、現状まだ小児には使いづらい
  • 現状では感染予防と対症療法が主体

 

2019.12月に中国の武漢から発生した新型コロナウイルス。
2020.2月に横浜にダイヤモンドプリンセス号が寄港してからそろそろ丸3年経ちます。
これまで数度の増減を繰り返し、直近では2022.11月から第8波の渦中にあります。

新型コロナウイルスについては、世界的な緊急事態ということで、
通常10年ほどかかるワクチンの開発も、短期的な有効性と副作用の確認を経て、緊急承認されました。
特に新型コロナワクチンでは、これまでの弱毒/不活化ワクチンとは異なるmRNAワクチンが使用されたことから、
長期的な影響などが心配されたということがありました。
この件につきましては、千葉大学の医師仲間が中心になって作った「こびナビ」に詳しく書いてありますが、
mRNAが遺伝子に入り込んだりすることはなく、
現状は小児においても、効果と副作用では効果が上回る、ということになっています。
こびナビ:https://covnavi.jp/about/
小児科学会:https://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=346

新型コロナウイルスは、小児では、熱性けいれんや胃腸炎症状は出るものの、
第6波までは、「小児は重症化しない(しにくい)」ということが言われていました。
大学病院で診療をしていますと、やはり入院やICU管理が必要になる重症例は圧倒的に高齢者です。
とはいえ、感染者数が増えるとどうしても一定数の重症患者は出てきます。
第7波あたりから、小児の重症患者は増えてきています。
(もちろんそれまでも、少ない数ではありましたがいました)
川崎病のような症状が出る「MIS-C:ミスシー」や、実際に死亡例も出てきました。
厚生労働省の報告では、2022年1月〜9月の間に、20歳未満の新型コロナ感染後死亡は62例いたとされています。
重症感染の発生頻度と、ワクチンによる副反応とを天秤にかけて考える、というところになりますが、
一般的には(小児科学会としても)接種を「推奨する」という形になっています。

ワクチンだけでなく、治療薬も次々と開発され、承認されています。
重症化時のサイトカインストームを制御するデキサメサゾン、トシリズマブに加え、
新型コロナウイルスに特異的に効果を発揮すると考えられる抗ウイルス薬も、
10種類が国内承認されています。
しかしながらいずれも小児における使用実績は乏しく、成人や、インフルエンザの際の抗インフルエンザ薬のように
「外来で気楽に内服」という形にはまだなっていません。基本は対症療法です。
重症化し、ICU管理などが必要な場合には、十分な説明のもと使用することもありますが、
まだまだ一般的使用は先になりそうな印象です。

現状では、学校や幼稚園・保育園や、周囲の流行状況を確認し、
手洗い、マスクなどの感染対策をした上で、ワクチン接種も検討し、
感染時にはしっかり栄養と休養をとり、症状緩和の薬を使用する。
検査や、症状緩和の対応は可能ですので、是非ご相談ください。

文責:力石浩志

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