乳幼児健診
(AIツール DALL-E3にて作成)
【概説】
・0-5歳児に対し、順調な発育・発達ができているか確認するためのもの。
・気になるところがあれば、一般診察フォローや、専門機関への紹介などが行われる。
・育児不安・育児相談も健診の中で行われることが多い。
・千葉市では、2ヶ月-1歳の誕生日前日までの間に2回、無料券での健診が可能。
(おすすめは2-3ヶ月、6-7ヶ月、10-11ヶ月)
・千葉市では、4ヶ月半頃に、BCG接種を含めた集団健診が行われる。
・千葉市では、1歳6か月児健診(1歳6か月から2歳の誕生日の前日まで)と
3歳児健診(3歳5か月から4歳の誕生日の前日まで)があり、
集団健診・歯・栄養相談を行ったのちに、クリニックでの内科個別健診を行う。
・2024/4月以降、5歳健診も公費で導入される予定(2023.2月現在)
【乳幼児健診について】
乳幼児健診は、赤ちゃんや幼児の成長や健康状態を定期的にチェックし、適切な医療や育児支援を提供するためのものです。
これらの健診は、生後1ヶ月から始まり、通常、特定の年齢や成長段階ごとに実施されます。
(当然、何か異常があった場合は、健診ではなく医療として受診してください)
医師や看護師が、赤ちゃんや幼児の成長を詳細に観察し、
必要に応じて健康状態や発達に関するアドバイスや検査を行います。専門医療機関に紹介をすることもあります。
また、予防接種のスケジュールや育児方法についても指導します。
そして、検診と健診の違いについては、よく聞かれることですが、
がん検診など、特定の疾患の有無を確認する場合は「検診」、
全体として自分が健康かどうかを確認する場合は「健診」として使い分けています。
乳幼児の場合は「健診」になります。
下に、各特定年齢でのチェックポイントについて概説します。
基本的には、
・元気に大きくなっているか
・各月齢でできるようになっているべきことができているか
・ご家族が育児に非常に困っていなさそうか
・腹部腫瘍などの見逃しがないかや皮膚の状態を含めた全体の診察
などを行います。
視力や聴力については、普段の生活でご家族が気づくことがあるかが大事であったりもするので、
問診のご入力をお願いいたします。
※言葉の定義として、小児では、各年齢ごとに下記の様に分類します。
「乳幼児」とは、以下のうち、「乳児」と「幼児」を合わせた、生後1ヶ月以上・小学校入学未満の年代を指します。
・新生児:出生後から生後28日目まで(≒出生後1ヶ月まで)
・乳児:生後29日から生後12ヶ月未満(≒新生児を除く0歳児)
・幼児:1歳から小学校入学未満(≒0歳児を除く未就学児)
・児童:小学生
・生徒:中学生以上
1ヶ月健診:
- 哺乳、活発な運動など、元気に育っているか確認します。
- 身長・体重の増加、頭囲のバランスを確認します。
- 心雑音や皮膚の状態、ヘルニアや腹部腫瘤の有無を確認します。
- 白色便の有無や、黄疸が遷延していないか確認します。(胆道閉鎖症)
- 異常な嘔吐がないか確認します。(肥厚性幽門狭窄症など)
- 股関節の開排制限がないか確認します。(先天性股関節脱臼)
- 育児不安や悩みの有無を確認します。
- ケイツーシロップの内服状況を確認し、適宜追加処方します。
1ヶ月健診は、産まれた産科で、お母さんの健診と一緒に行うことが多いかと思いますが、当院でも可能です。
2ヶ月健診:
- 成長曲線を確認し、適切な成長を遂げているかを評価します。
- 心雑音、呼吸音、腹部、外陰部、四肢、皮膚の診察をします。
- 予防接種のスケジュールを確認し、接種を開始します。
- 育児の悩みや疑問にも丁寧に応じます。
- 赤ちゃんの視覚や聴覚の発達をチェックします。(診察のみ)
- 股関節の開排制限がないか確認します。(先天性股関節脱臼)
- ケイツーシロップの内服状況を確認します。必要があれば追加処方します。
3-4ヶ月健診:
- 成長曲線を確認し、適切な成長を遂げているかを評価します。
- 筋緊張や首のすわりを確認します。
- 心雑音、呼吸音、腹部、外陰部、四肢、皮膚や姿勢の診察をします。
- 股関節の開排制限がないか確認します。(先天性股関節脱臼)
- 視線や表情を確認します。
6-7ヶ月健診:
- 成長曲線を確認し、適切な成長を遂げているかを評価します。
- 赤ちゃんの動きや行動を観察し、発達の適切な進行を確認します。
- 心雑音、呼吸音、腹部、外陰部、四肢、皮膚や姿勢の診察をします。
- 小さなものをつまんだり、持ち替えたりの確認をします。
- 食事や口腔の健康、歯茎の状態や歯の生え方をチェックします。
- 授乳や離乳食、固形物への移行について確認します。
9-10ヶ月健診:
- 成長曲線を確認し、適切な成長を遂げているかを評価します。
- 言葉の発達や身体能力の向上、歩行の準備などをチェックします。
- 心雑音、呼吸音、腹部、外陰部、四肢、皮膚や姿勢の診察をします。
- 小さなものをつまんだり、持ち替えたりの確認をします。
- 歯の生え方や授乳・離乳・食事の摂取量なども確認します。
- 赤ちゃんの安全な環境や事故防止について確認します。
- 赤ちゃんの独立心や好奇心の育成についてのアドバイスを行います。
千葉市では、2ヶ月-1歳の誕生日前日までの間に2回、無料券での健診が可能になっています。
4ヶ月半頃に、BCG接種を兼ねた集団健診が1回入りますので、それとの兼ね合いも考え、
おすすめは2-3ヶ月、6-7ヶ月、10-11ヶ月になります。
無料券は2回分なので1回不足しますが、1回は自費でやっていただくか、
2ヶ月半と8ヶ月、など、細かい心配がない場合は広めの間隔で受診いただくのも良いかと思います。
1歳半健診:
- 赤ちゃんの成長や発達が安定期に入り、健康状態をしっかりと確認します。
- 心雑音、呼吸音、腹部、外陰部、四肢、皮膚や姿勢の診察をします。
- 心理的な発達や社会性の向上についてもチェックします。
- 言葉の発達やコミュニケーション能力の評価を行います。
- 発達の遅れがみつかった場合、各専門機関への紹介を含め、対応いたします。
3歳半健診:
- 成長や発達を詳細に観察し、健康状態を評価します。
- 心雑音、呼吸音、腹部、外陰部、四肢、皮膚や姿勢の診察をします。
- 身体的、知的、社会的な発達についてのアセスメントを行います。
- 言葉の理解力や表現力、社会性や協調性の発達をチェックします。
- 発達の遅れがみつかった場合、各専門機関への紹介を含め、対応いたします。
千葉市では、1歳6か月児健診(1歳6か月から2歳のお誕生日の前日まで)と
3歳児健診(3歳5か月から4歳のお誕生日の前日まで)を集団健診として行なっています。
集団健診・歯・栄養相談を行ったのちに、クリニックでの内科個別健診を行うことになっています。
集団健診で渡された問診用紙をご持参ください。費用は公費で負担されます。
5歳健診:
- 5歳の成長や発達をチェックし、健康状態を確認します。
- 視力や聴力検査など、学校生活に必要な能力についてもチェックします。
- 学習能力や集中力、創造性の発達を評価します。
- 安全な生活環境の整備や事故防止の重要性について話し合います。
- 学校生活や社会生活への適応力やストレス管理についてのアドバイスを提供します。
- 発達の遅れがみつかった場合、各専門機関への紹介を含め、対応いたします。
発達障害のこどもが増えているということもあり、より早期に療育を導入することを目的に、
2024/4月以降、5歳健診も公費で導入される予定となりました(2023.2月現在)
自治体ごとに導入準備を進めており、千葉市がどのようになるか、情報が確定次第情報提供いたします。
文責:力石浩志(2024/2/12)