開業一年。最近の話題(手足口病・ヘルパンギーナ、咳)
おかげさまで、先月で開業から1年を迎えることができました。
地域の子育て世帯の方々には徐々にご認知いただき、
曜日によって多少の波はありますが、概ね当院のマンパワーのmax近いレベルで診療させていただいています。
今後ともご愛顧よろしくお願いいたします。
先日インスタグラムでもご報告しましたが、「当院のマンパワー」の上限を上げるべく、
スタッフを増員いたしました。
増員から1ヶ月が経ち、新スタッフも、だいぶ前から当院にいるかのように馴染んでくれています。
人数は増えても、当院のコンセプトである、丁寧な、優しい対応は続けていきます。
新メンバーも含め、これからもよろしくお願いいたします。
また、LINEでも通知いたしましたが、午後の診察枠を、「午後」と「夕方」に分けました。
ご家庭の都合で17時過ぎに受診したいのだけど、、、という方が、これまでは午後の順番だったため、
早めの番号が取れてしまった場合、そこを飛ばして午後の番号の遅い方を呼ぶことがうまくできず、
当院の診療パフォーマンスが十分に発揮できていない部分がありました。
遅い時間帯希望の方には「夕方」をとってもらう形にし、この1週間はいい感じかと思います。
診療をよくしてゆく努力は続けていきますので、
受診時に感じたことなどがあれば遠慮なくスタッフにお申し出ください。
最近の診療内容で言いますと、インフルエンザはさすがに下火になりました。
最近では、東南アジアから戻られた方で1人出ただけです。
コロナは、増えてきている地域もあるようですが、当院では、親御さんが持ち込んだ子に限られています。
溶連菌は、昨秋に大流行しましたが、若干減ったものの完全には落ち着かず、といった状況で、
当院でも毎日5人前後は出ている状況です。
抗生剤の供給も、万全ではないものの一時期よりは戻ってきました。
現在も当院(と近隣薬局)では、第1選択薬のペニシリン系抗生剤は出せないまでも、
第2選択薬のセフェム系抗生剤は処方できるようになりました。
発熱(微熱も含む)、咽頭痛などありましたらご相談ください。
この2週間で、特に幼稚園保育園年代での手足口病、ヘルパンギーナが増えています。
数年前に、手足口病は、昔の典型的な「咽頭、手のひら、足の裏」に発疹が出るタイプから、
咽頭から口周り、二の腕も含めた上肢、太ももまで含めた下肢、+肛門周囲に出るタイプに変わったということがありましたが、
今年はさらに、体幹にけっこう出る患者さんが多い印象を受けています。
胸腹にも同じような丘疹が出現し、「それはもう手足口病ではないのでは?」とも思うのですが、
咽頭や手足も含め、発疹自体はいかにも手足口病で、
時間が経つことで自然治癒するので、やはり手足口病なのだと思います。
また、熱、咽頭発疹、四肢発疹のタイミングがずれ、初診時は発熱+咽頭発赤のみの上気道炎、
翌日に咽頭アフタが出てヘルパンギーナの診断、2日後に手足に発疹が出て手足口病、というのも複数出ています。
手足口病なのか、ヘルパンギーナなのかは、診断的にはあまり意味はないので、厳密にはどちらでも大差ないのですが、
(どちらもいわゆる「夏カゼ」の一種で、熱・咽頭痛に留意しながら自然軽快を待つ疾患です)
「喉が痛そう」「唾液が多い(喉が痛くて唾液を飲み込めない状態)」は、熱と相まって脱水となることもありますので、
お困りでしたらぜひご来院ください。
状態の評価、対応法についてお話しさせていただきます。
また、咳喘息、とも言いがたいものの、なかなか鎮咳薬でおさまらない強い咳の風邪・気管支炎も多いです。
なかなか完全に咳を止めることはできませんが、
生活に支障をきたすレベルの症状の緩和にはできるかぎり力になれれば、と思っておりますので
お困りの際にはご相談ください。
4月より、新たに学校医・園医としての業務も始まりました。
休診日の木曜を使って高校、小学校、幼稚園、保育園を回っています。
これまで高校に2回、小学校に3回、幼稚園に2回行き、そして今週保育園に1回行きます。
小学校の先生方には、アレルギー発症時の自己注射「エピペン」の講演もさせていただきました。
小児科医としては不本意な内容で話題になってしまっている学校健診ですが、
子どもの健やかな成長を手助けできるよう努力して参ります。
2024.6.30
力石浩志