最近の診療状況(開業半年)
お久しぶりの投稿です。
11/22をもって、開業半年を迎えることができました(^-^)
近隣地域が中心ではありますが、遠くは緑区や四街道市、市原市などからもご来院いただき、スタッフ一同とても感謝しております。無事今後も営業を続けていけそうです☆
子育て世帯のサポーターとして、困ったときには相談・受診できる、居心地の良いクリニック運営を続けていきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
最近の小児科クリニック診療ですが、
・感染症おちつかず(インフルエンザ、溶連菌、アデノウイルス、それ以外の気管支炎)
・咳喘息?の増加
・迅速検査キット、咳止め・抗生剤の不足
あたりが目立っています。それぞれについてご説明します。
①感染症おちつかず(インフルエンザ、溶連菌、アデノウイルス、それ以外の気管支炎)
夏休みでだいぶ落ち着いた様に思いましたが、9月に入って学校・幼稚園が再開してから、また流行っています。
最近では、新規開業の当院でさえ、7時台に予約枠が埋まってしまうことも多くなりました。
近隣の小児科クリニックでは、かかりつけの患者さんでさえも全然予約が取れない(のでうちに来る。笑)ということもよく聞きます。
インフルエンザは、学校・幼稚園・保育園ごとに、学級閉鎖・学年閉鎖を駆使してがんばって対応している様ですが、なかなか収束せず、高値横ばい、という感じです。
そして今年は、例年にはなかったことですが、2つのA型インフルエンザが同時流行しており、一度A型インフルエンザに罹患して、1ヶ月後にもう一度(もう1つのタイプの)A型インフルエンザに罹患する方がそれなりにいます。
最初は驚いて小児科医メーリングリストで相談してしまったりしましたが(笑)、もう普通のことになりました。
続いて溶連菌です。この1週間だけに限ると、当院ではインフルエンザよりも多くなっています。
悩ましいのが臨床像で、確かに熱、咽頭痛はあるのですが、咳も結構出ていて、喉も、いわゆる典型的な溶連菌の、「扁桃腺が大きく腫れ、膿(白苔)がつく」ことは多くなく、ただ喉が普通に赤いだけ、という方がけっこういます。
熱が38℃台と低めで推移している場合には、インフルエンザやアデノウイルスよりも溶連菌を考えたりしますが、普通に40℃になる子もいて、非常に判断が難しい状況になっています。
詳細は「かぜ(気道感染症)」のページをご参照いただきたいですが、抗菌薬使用ですぐに改善すること、放置すると合併症の可能性があることなどから、なんとか診断をつけたいと考えていますが、③で書く様に、迅速検査キットが手に入らなくなってしまいました。。。
アデノウイルスは、高熱+眼球充血の「プール熱」、高熱のみの「アデノウイルス咽頭炎」が流行っています。
インフルエンザ、溶連菌ほどではないですが、1日で見ない日はありません。
アデノウイルスは感染力が強く、兄弟で時間を置いて感染すること、感染した場合の「登校・登園許可」にけっこう時間を要すること(充血が消えて2日、で普通に2週間かかることもあります)、などが大変な感染症です。
クリニック運営的には、アデノウイルスが発生すると、その部屋を(触ったおもちゃなども含め)念入りに消毒する必要があり、感染症室診療が滞ってしまうという問題もあります。
しかしながら、いばることではありませんが、「当院でアデノをもらった」子は、幸いなことにこれまではおりません(^-^;)
コロナも、一時期ほとんどみなくなりましたが、また少しずつ出だしています。
現時点では当院で診断したコロナのほとんどは父(会社?)持ち込みですが、また千葉でも増えてくるかもしれません。
そしてこれらの「名のある感染症」が陰性で、結果「ただのカゼ(気管支炎)」という診断になる子ももちろんいます。
発熱で来院されるお子さん全体の3割くらいでしょうか。
②咳喘息?の増加
11月に入ってやっと寒くなってきたせいか、「日中はそうでもないが夜に咳が出て起きてしまう」という患者も増えてきました。
ほとんどが受診時の聴診では異常がなく、家でもゼイゼイはしていないと言います。
気管支拡張薬・抗ロイコトリエン拮抗薬という、いわゆる喘息の薬を使用していますが、長い咳になっている子が多い印象です。
前回も書きましたが、免疫力低下とウイルスの強化によって?感冒も反復している印象もあります。
季節が変わりきったら落ち着いてくれると良いのですが。。。
③迅速検査キット、鎮咳薬・抗菌薬の不足
そして、我々小児科医がいま非常に困っているのがこの問題です。
小児科医が複数集まるとすぐこの話題になります(苦笑)。
コロナ、インフルエンザ、アデノウイルスの検査キットは、一時期ギリギリにもなりましたが、当院はなんとか乗り切れています。
しかしながら今回初めて、溶連菌のキットが切れ、手に入らなくなってしまいました(>_<)
上記の様な問題点もあるので溶連菌の診断は大事なのですが、しばらくは、疑わしい場合には、対象を広めにとって抗菌薬を使用するしかなさそうです。(抗菌薬の適正使用、耐性菌の問題はあるのですが。。。)
そして、溶連菌に、第一番に使用する抗菌薬、アモキシシリンの細粒が現在手に入りません。
当院では代わりの抗菌薬で乗り切っていますが、それもまたいつまで手に入るかの保証はありません。
そして咳止めも、これは医者によって「咳を止めるのは害悪しかない」という立場の医者もいますが、私は、「咳止め」とは言っても、痰も出せない(で詰まってしまう)ほどに完璧に咳を止められるものではないし、やはり咳でつらい、特に眠れないのは緩和してあげたいと思うので、鎮咳薬は処方する立場なのですが、こちらも供給不足でなかなか処方ができなくなってきています。
日々、近隣の薬局と情報共有を行いながら診療しています。
小児の薬は、使用量も少ない(→製薬会社にとっての売り上げが少ない)ことや、こどもを対象に治験を行うのが難しいことなどから、日本ではなかなか開発されません。(海外では、成人の薬を9個開発したら小児の薬を1つ開発しないといけない、などという縛りがあったりします)
そして、医療費抑制のために進めた「後発医薬品」を作る会社が、粗悪品を作っていた問題で営業停止になっていることなどもあり、製薬業界はなかなか大変なことになっています。。。
なんとかがんばって、子どもの薬・検査キットを安定供給していただき、日本のこどもたちが安心して暮らせる世の中になることを切に願っています。
そんな中、インフルエンザに対するタミフルの細粒も不足してきたとの情報が入りました。
年少児では、やはり熱が低くなったり、期間が短くなったり、効果があるので処方しているのですが、(そして漢方の麻黄湯はやはり飲めないこどもが多い。。。)今後はなしで戦うことも考えなくてはならなそうです。
若干目的はずれますが、やはりそういうことも含め、インフルエンザワクチンの接種は推奨します。(ワクチンの第一目標はインフルエンザ脳症や鋳型肺炎の減少だとは思っていますが)
そして、インフルエンザに1回かかった方へも、これまでも「まだもう1このAと、Bもいるので打ちましょう」と説明していましたが、①のように、今年は特に、Aに2回かかる可能性も高いので、例年以上に、インフルエンザワクチン接種はご検討ください。
2023.11.30
力石浩志
