こどもの「カゼ」大流行
開業してもう少しで2ヶ月になります。
ありがたいことに、来院してくださる患者さんも増え、
日によっては「当院のキャパを超えてるかも。。。」と思う日もチラホラでてきました。
その一因となっているのが、表題の、「こどものカゼの大流行」です。
インフルエンザや新型コロナの患者さんも確かにいますが、
コロナもインフルも検査で陰性な、「熱が長くて1週間くらい続く」「咳がひどくて夜眠れない・咳のしすぎで嘔吐する」という気管支炎、いわゆる「カゼ」が大流行しています。
(それに紛れて、嘔気のあまりない胃腸炎や、普通の嘔吐下痢の胃腸炎もそれなりにいます)
当院はまだそこまでではありませんが、近隣の小児科は、
「予約枠が秒で埋まる」「1日150人の患者さんを診察している」小児科が多数あるようです。
例年、4月になると、新しく幼稚園・保育園に通い始めた子どもたちが、
6月くらいまで、いろいろな感染症の洗礼を受けます。
とはいえ発熱は数日でおさまり、ここまで強い気道症状は起こしませんでした。
今年は、当院の開院は5/22なのでそれ以前のことは患者さんから聞いた話になりますが、
3月頃から、去年も幼稚園保育園に通っていた子たちも含めて、
上記のような熱・咳の感染症に、多い子では2週間毎に、7月になってもなお、かかりつづけているようです。
当院でも、熱が7日、咳が10日でようやく治ったと思ったら14日目からまた同様の2週間、
これを繰り返して今回で4回目、という子どもたちが複数います。
原因は、わかりません。
新型コロナも、インフルエンザも、ヒトメタニューモウイルスも、RSウイルスも、マイコプラズマも、
確かにいるのですが、大半は迅速検査陰性です。
おそらくこの新型コロナの3年間で、集団生活を回避したり、マスク生活をしていたことで、
上記のような感染症の洗礼もなく、子どもたち側の免疫力が例年より育っていないこと、
ウイルス側も、いわゆるカゼのウイルスが、この3年間、人に感染できなかったため、何らかの感染力を高める変化をしたこと、
あたりが原因なのではないかと、個人的には考えています。
(どちらも、今後研究機関での研究結果が発表されることを期待しています)
とはいえ、熱は続くものの比較的元気な子がほとんどで、
細菌性肺炎のような、肺の音がバリバリする子や、酸素の数値が下がる子はほとんどいません。
咳はけっこうつらいようなので、当院では咳止めは普段より強めに処方していますが、
必要以上に恐れる必要はなさそうです。
(もちろん重症の子もたまにはいますので、息苦しそうとか顔色が悪い等ある場合は急いで受診してください)
これから夏休みに入り、集団生活がなくなることでいったん落ち着くのか、
新型コロナの時のように、旅行などの人流によって拡大傾向になるのか、
少し経過をみる必要がありそうです。
力石浩志